せんきょと数字。

選挙速報ほど秀逸なエンターテインメントはないと思う。

日頃から「風は我々の方に吹いている」などとうそぶいている与党の皆さまにも野党の皆さまにも等しく、得票数という名の審判が下される。そしてこの日ばかりは誰しもが、得票数の前に謙虚になり、わが身を振り返らざるを得なくなる。この日が来るたびに、民主主義に基づく普通選挙が実施される国で良かったと思う。この制度がある限り、この国に独裁政権なんてものは生まれないのだ。

数字は残酷だ。でも、愚直に努力を重ねた者には数字の神様は微笑んでくれる。言葉を操って扇動するような者にはそれなりの結果しか返ってこない。数字を真摯に受け止め、自分の身にフィードバックできた者だけが次の審判の機会に向かって正しい道を歩み出せる。

選挙の結果にも興味はあるけれども、それ以上に、個々の政治家が結果をどのように受け止め、どんな表情でどんなコメントをするのかに注目している。努力を重ねてきた者が見せる表情、コメントには必ず学ばされる部分がある。審判が下されるその瞬間、人間の1番素の部分が、全国ネットで流される。レンタルして見るDVDよりもはるかに面白くて、重みのあるエンターテインメントだと思う。