川崎。

ブルージェイズ川崎宗則が3年目のメジャーリーグでいつになく躍動している。もちろん去年までも野球に対する超前向きな姿勢やチームの盛り上げ役として多大なる貢献を重ね、ファンからも非常に愛されるキャラクターではあったのだが、今年6月頃からの活躍っぷりは、レギュラークラスのそれに限りなく近い。

結果が伴ってきてもなお、川崎宗則のスタイルは変わらない。ままならぬチーム事情からマイナー降格を言い渡されても、腐ることなく全力で野球に取り組んでいる。彼の姿を見ていると、本当に「今を生きる」という言葉がぴったりあてはまるのだ。

彼はお金でもなく、スター選手としての地位でもなく、純粋に野球を楽しめる、その代わりに激しく厳しい環境を求めてメジャーでプレーしている。某番組の張本勲氏は彼に対してよく、「日本に帰ってくれば主力選手としてプレーできるのになんで帰ってこないのか」などというコメントをするが、もうこれは価値観の違いという他ない。激しく厳しい環境で生き抜こうともがくことに言葉にならない快感、生きていると感じているのだ。世代の違いなのか、個々の違いなのかはわからないが、張本氏にはその価値観が理解できないのだろう。

川崎宗則だけでない、日本でバリバリのレギュラーを張っていた中堅選手や、一時代を築いたベテラン選手が、マイナーの地で、たとえメジャーに上がれなくとも奮闘している。日本のメディアに取り上げられなくとも、きっといい顔をして日々生きているのだと思う。