思えば遠くへ来たもんだ。

少々気が早いが、あと1ヶ月で今の会社に入って丸7年になる。ここまで長く働き続けるとは、7年前には夢にも思っていなかった。

振り返ってみればあっという間に感じるけれども、7年前のことはずい分昔のことのように感じる。武蔵小山の小さなアパートで、緊張のせいかほとんど眠れずに迎えた、うだるような夏のはじまりの朝、もう後戻りはできないという重い気持ちでスタートしたのが始まりだ。もうすぐあれから7年になるのだ。

大変なことがなかったわけではないけれど、どちらかと言えば落ち着いて1日を重ねることができたのではないかと思う。大変な時期もあったが、そういう時期はえてして長くは続かないもので(もし長く続いていれば途中で潰れている、とも言えるが)、我慢していれば必ずどこかでひと息つけるタイミングがやってくる。そんな波をいくつか乗り越えているうちに、少しは成長できたんではないかとも思う。

成長という言葉を使ったが、転職してきた当初はいかに自分が成長するか、ということばかり考えていたように思う。一通りにスキルを身につけて独り立ちできれば、さっさと次の新しい場所を探してやろう、そう思っていたフシもあった。しかしながらその目論見は思ったようには上手くいかず、壁にぶちあたった。今から思えば空回りしていたのだと思う。

そこから相当な時間はかかったが、徐々に自分のことを考えないように思考が変化してきた。自分を取り巻く環境が変わってきたこと、仕事に慣れて自分のペースを掴んできたこと、東日本大震災など、原因はいろいろとあるのだと思うが、ごく自然に、目の前で向き合っている人に対してなにができるか、自分の属している組織に対してどんな貢献ができるか、それらにフォーカスして行動できるようになってきた。そうなってきたことで、少しずつ自分の望むような結果も出るようになってきた。

ひとことで言えば、向いている方向が自分ではなくて周りに変わったということなのだと思う。少なくとも僕の場合は、そのようなスタンスでものごとに取り組んだほうが、よりよい結果が出るということがわかった。自分が得しようという欲求がないこともないのだが、その欲求は本質的ではない部分で巧妙に満たしてあげることで、いざ勝負、という時に良い精神状態でいられるよう、自分をコントロールできるようになってきたと思う。

あと何年この場所にいるのか、もう折り返し地点は過ぎているのだとは思うけれども、ここで見つけたスタンスを大事にこれからもやっていく。