歩み。

4月と10月は半期のスタート。ひと段落がついてまっさらなところから、さぁ新しくどんな半年にしようかと考え動き出すシーズンになる。いったん走り出せば、軌道修正することはロスになるわけで、重要な時期だと思っている。

そんなわけでこの時期はいろんな人に会っている。4月に会って以来半年ぶりに会う人も多い。それぞれのポジションによりけりなのだが、たった半年の間にも新しい分野のプロジェクトをどんどん展開している人がいて驚く。

それぞれの姿に接していると、人はみな同じだけの能力を持って生まれ落ちてきたのではないのかな、と思えてくる。そこからどこまで伸びるかは、純粋に本人の努力次第なんだと思う。もちろん、努力することができる恵まれた環境にあることは大きな要素になることを忘れてはならないが。能力を伸ばしていくスピードも、生まれ持ったものではない。そもそも成長が速いというのはその速度によるというよりは、他の人が止まっている時にも歩みを続けていることで、速く見えるだけなのだと思う。

たった半年の間であっても、その差は明確に現れる。ましてやそれが10年20年と積み重なれば、その差は圧倒的なものとなる。そこには魔法も仕掛けもなくて、ただただ歩みを止めなかったということだけなのだと思う。

そして歩みの中身では、新しい人との出会いを重ねていくことが大きな意味を持つのだと思う。言われたことをこなすだけではなく、自分の懐に未知なるものを呼びこんで、新しい動きを作り出すこと、組織の上に立つポジションや、自分ひとりで舵取りをする立場の人に求められるのはこうした要素である。いま目の前にあることが上手くいっていたとしても、やがては環境も変わり、永続的に上手くいくなどということはありえないわけで、そうなった時のために新しい種を育てる動きを止めないことが1番のリスクヘッジになる。

という感じでストイックに書いたのだが、誰もがそうやって歩み続けなければならない世の中でもない、とも思う。そこまでしなくとも何とか生きていけるし、歩み続ける楽しみも、止まっているなかで得られる楽しみもそれぞれある。歩み続けていれば立ち向かわなければならない壁もあるし、傷つくこともある。

どこまで歩いていきたいのか、そこでどんな景色を見たいのか、考えた上で踏み出せば、あとは淡々と自分のペースで行けばいいのだと思う。そしてできることならば、ワクワクするような瞬間を少しでも多く味わいたい。