神事。

ふだんゆっくり見ることができない高校野球を、きょうは数試合見ることができた。早くも全ての出場校が顔見せを終え、これからトーナメントは佳境に入っていく。

改めて、高校野球プロ野球の違いを感じる。まずもって試合のスピードは全然違う。高校野球は攻守交代も全力疾走に近いし、変に間合いを取ることもない。プロ野球では審判のジャッジがビデオ判定によって覆ることもあるが、高校野球ではジャッジに物申すことすらあり得ないこととして考えられている。大会前の練習で女子マネジャーが甲子園のグラウンドから出させられたことが話題になったが、そもそも試合中になれば、監督すらグラウンドに入ることはできない。指示は伝令という形で控え選手が伝えることになる。

これらのことを考えるに、もはや高校野球伝統芸能だとか神事の域に達しているのだと思う。プロ野球は好きではないが、高校野球は好き、というのは高校野球ならではの様式のなかで繰り広げられるドラマに共感する、と言い切ってしまってもいいのだろう。真夏の炎天下でいちプレイヤーとしての将来を無視したスケジュールで行われるのもその一環と言えなくもない。