女性観の多様化。

あえてリンクは貼らないけど、先週けっこう話題になった司法浪人の方のブログを読んで個人的に気付くことがあった。ブログの主である司法浪人の方が、自分の女性に対する経験・考え方・性癖についてかなりのスペースを割いて語っている。この方は中学卒業以来女性と関わった経験がなく、それゆえに、女性に対する見方がどんどんダークサイドに落ちていくことになった。そんないきさつを読んで、これは男性万人に多かれ少なかれあてはまることなのではないか、と思えてきた。(以下の一連の文章は女性と男性を逆にしてもあてはまる話だとは思うが、残念ながら僕には女性から男性を見たときの考え方があまりうまくできないので、ここでは男性からの視点に絞って書く)

男性が持つ女性に対する価値観は、大体20歳までに造られたベースをもとに、そこからも日々の経験によって細かく変化していくのだと思う。日常的に女性と触れ合った経験の積み重ねをもとに価値観が変わっていくのはもちろん、テレビやパソコンのスクリーンや紙媒体を通して入ってくる女性に関する情報によって、その男性自身の脳内で造られていく価値観もあるのだと思う。ブログの主である司法浪人の方の価値観は、後者のインプットにのみ依って造られていった。他にも、例えば風俗好きなサラリーマンの価値観はどのように造られてきたのか、など個々のケースを想像してみると面白い。

週刊誌の中吊り広告に嫌悪感を持つ人は多いと思うが、「週刊○○」といった雑誌は40〜50代の男性、「SPA」や「プレイボーイ」は20〜30代の男性の「編集部が想定した」価値観が具現化されている。前者と後者の内容を比べれば、その「編集部が想定した」価値観が徐々に変わってきていることがわかる。この価値観の違いは、それぞれの世代が20歳までに積み重ねてきた経験や環境が変わってきていることを示している。

加えて、社会のなかで「性産業」が自由に発達する環境が整ってきたことが大きいと思う。「性産業」を風俗店やキャバクラといった意味に限定せず、女性性(もしくは男性性)を対象にした広い意味でのサービス業として捉えなおすと、ここ数十年の「性産業」の発展度合いは相当にすごい。誤解を恐れずに言えば、秋葉原メイドカフェも性産業であり、アイドル(アイドルにしてもそのジャンルは非常に多様化している)も性産業である。それぞれのサービスは、多様化する男性の価値観を発祥とする個々のニーズにきめ細かく対応した結果そのものである。たとえそれがニッチな価値観やニーズであっても、マーケットとして一定のボリュームがあれば、産業として成り立つということが証明されてきた。このように「性産業」が自由に発達したことでまた、男性はそれぞれ自分自身が持っている(隠された)価値観にも気付きやすくなっている。