球「夏」到来。

プロ野球がはじまった。時はもう6月である。いかに今年が異様な年であるかが分かる。しかしそれでも、17時半を過ぎるとぽつぽつ各球場のスタメンが明らかになり、18時に一斉にプレーボールがかかり6試合が動いているのを目の当たりにすると、ああ日常が戻ってきたなあとしみじみとした気持ちが充満した。たとえどれだけ失うものがあっても、野球が戻ってくれば人はほっとしてしまうのだなあと思う。


観客のいないスタジアムで行われる野球は、普段聞こえない音がいろいろと聴こえてくる。投球がミットにおさまる音、強打者がフルスイングする音、守備につく選手の出す声、かえって、野球らしさがよく伝わってくる。普段スタンドで声を枯らしてリードをとる応援団は今ごろはどこで観戦しているのかな、とふと思ったりもする。


調整は大変だったろうが、選手のパフォーマンスは見ていてすごかった。マリーンズのスターターの石川も生涯で数えるほどのナイスピッチだった。それでも負けてしまったのは悔しいが、それもひっくるめて、野球が戻ってきたのは嬉しい。