反橋下派の体たらく。

橋下大阪市市長が主役となり、反橋下派の大学教授や精神科医や政治家と討論した先週末の朝生について、不覚にもYoutubeで見てしまった。田原さんの司会のうまさはさすがだなぁと思った。

★★★

印象としては昨年末の大阪市長選と同様に、反橋下派の株が落ちてしまったとしか言いようがない。どちらが論破するとか以前に、そもそも反橋下派は議論になっていなかった。反橋下派のみなさまは利他的行為がお得意なようである。とあるブロガーさんの記事に、そのあたりがうまくまとめられている。↓
http://d.hatena.ne.jp/syocyo/20120128/1327765979

上の記事を読んでなるほどと思ったのは、『ビジネス脳がないと、橋下市長の行動則はたぶん理解しにくいのではないのか。』というくだりだ。今まで僕が感じていた反橋下派の人たちに対する違和感を見事に言いあてている。橋下氏の姿が、破綻寸前の企業に、投資銀行からいきなり送り込まれてきた新社長の姿にだぶる。僕は企業再生の端くれの仕事をしているので、その際に生じる軋轢なども少しはわかっているつもりだが、破綻寸前の企業の中の人たち(特に幹部)の気持ちに思いを馳せると、なんとなく今回の反橋下派の人たちの気持ちもわかる。

僕は橋下市長を支持するわけでもないし、反橋下派というわけでもない。上記のようなビジネスの論理を公共政策を進める役所に持ち込むこと自体正しくないのかもしれない。しかしながら、少なくとも僕は反橋下派の人たちから論理的な意見を聞いたことがない(昨年の選挙のときも、反橋下派の体たらくに、平松前市長が可哀想だと思ってしまった)。「あいつなんかはなからダメに決まってるでしょ」といった類の台詞しか聞いたことがない。はっきり言ってそういった類の台詞には嫌悪感しか覚えないし、そのような考えで止まっているのはもったいない。政策論としての反対意見が聞きたい。反橋下派の体たらくがこの程度で、既にちらちら見え隠れしている橋下市長の暴走(やるべきことをスピーディにやっている、とも言う)がどんどんエスカレートしていくことには僕もいささかの怖さを感じる。橋下手法を嫌ってなにも変化しないまま自壊していくのもそれはそれで嫌だが。

★★★

話は変わるが、うちの親は公務員で、けっこうビジネス脳とは程遠い家庭環境で育ったはずなのに、僕ら息子2人はあっさりビジネスの世界に踏み入れたのはなぜだろうか、と最近考えているので、そのことについてもいつか書いてみたい。