「The Seven Continents」ブータンの回。

去年、日経ビジネスオンラインで御手洗瑞子さんという方による、「ブータン公務員だより」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110610/220675/
というコラムが連載されていて、いつも興味深く読んでいた。

すると、中学からの友人のT君がなんと御手洗さんの後任として首相フェロープログラムに参加するとの連絡を受けて、僕はひどくびっくりした。これはなにかのセレンディピティだろうか。(彼のブログも下記に紹介させてもらいます)
http://thanks2happiness.blog.fc2.com/

去年はブータン国王のご成婚や新婚旅行を兼ねた来日がかなり報道されたこともあり、今までよりももっと日本人にとってブータンは身近なものになったと思う。そんな昨年のクリスマスも押し迫った頃、原宿Vacantに、石川直樹さんと御手洗瑞子さんのトークイベントに行ってきたことを書き残しておく。

恥ずかしながら石川直樹さんはこれまであまり知らない方だったのだが、写真家らしい朴訥な感じの方だった。淡々とした話しぶりも、少々のことでは動じなさそうな落ち着きっぷりも冒険家らしい。傍から見ていて、目の前に映ったものごとを、その新鮮さを損なわずに、素のままで捉えることが上手いのだろうなと勝手に想像した。彼の写真や文章は読んだことがなかったので、これから手にとってみたいと思う。

御手洗瑞子さんは写真の通りとても聡明で素敵な方だったが、話し出すと意外とあっけらかんとした感じで、それがまたよかった(なんだか褒めてばかりになったが)。

今でも印象に残っているのは、絵馬の話。日本の絵馬にはたいてい自分自身の願い事(合格しますように、恋人ができますようにetc)が書かれているが、それを聞いた御手洗さんの上司が、「あぁそこは大切な点だ」と合点がいったというエピソード。ブータンでは家族や友人や周りの人々が幸せであることが、自分が幸せであることと同じか、それ以上に大切なこととしてみな捉えている。発想の転換と言うか、日本で暮らしている人でも普段感じられるはずなのに、見えなくなっている感覚をブータンの人々は確かに持っていて、それが日本から見るとブータンの人々が幸せに見える理由なのだと感じた。

最後にもうひとつセレンディピティ(?)。当日会場で流されていた仏教讃歌が、その昔僕がシンガポールで買ったCDのそれだった。大学卒業間際や社会人になりたての頃よくそのCDを車の中でかけて、心を遠くへ飛ばしていたことをふと思い出した。