農業とTPPを巡る、JAへの疑問。

ようやく、TPP問題についてはあるべきところに落ち着いたというべきか。参加となっても、反対派の議員が特にアクションを起こさないところを見るに、反対派の議員もまた支援団体からの建前上反対していただけなのではないかとも思える。農業とTPPについては先週もエントリを書いたけど、JAの視点からもう一度書きたい。

仕事がら、地方の金融機関に営業に行ったり、取引の際にやりとりをすることが多く、そのなかでJAバンク○○やその上部組織のJA○○信連といったところともたまに接点がある。僕の乏しい経験のなかでたまたまそういうことが重なったのかもしれないが、そこで残念な思いをすることが多い。問い合わせたことに対して、たらいまわしにされた上で回答が返ってこないことも一度や二度ではないし、ディスクロージャーもはっきり言ってお粗末なものが多い。小規模金融機関だから細かいところまでなかなか手が回らないという気持ちもわからなくもないが、似たようなスタイルの金融機関である信用金庫や信用組合と比べても、非効率さや士気の低さをありありと感じてしまう。もちろん全てのJAバンクがそうと言うわけでもなく、都市部のJAは、銀行よりも好条件の金利で住宅ローンの貸し出し攻勢を進めているなど、地域金融機関としてのプレゼンスの大きいところもあるし、JA共済などはコストパフォーマンスに優れた保険商品であるとは言えるのだが、今の時代にJAバンクという金融機能がそこまで必要なのかと思ってしまう。JAグループ全体の職員数は全国で23万人いるということで、これは国内全ての銀行の従業員数に匹敵する。それだけの職員数を維持する為のコストは、主に農家から支払われる諸々の手数料によって賄われており、それが農業の国際競争力をそぐ一因になってはいないか。

あまり思いたくはないが、僕が受けた対応を振り返ると、JAには縁故採用や、「顧客目線」に立てない職員が多いのかなと思ってしまう。優れた農家はJAを批判し、JAを介さず経営を進めているが、そうでない農家にとっても、JAの存在が足かせになってはいないだろうか。特に福島県内のJAのホームページなどを見ると、放射能対策に対する具体的な取組が全然見えてこない。オイシックスなどと比べて、JAはどんな検査を行っているのか全くわからない。だから風評被害に対して無力だし、抜き打ち検査で引っかかっては大々的に報道されて、信頼を落とし、損害をどんどん拡大させてしまう。するべき取組と広報を放棄して、TPPにはせっせと反対して既得権益を守るのがJAのやっていることではないか、と考えている。