心を整える。

週末は久しぶりに銀座に出て、いろいろとたまっていた買い物を済ませた。昼間はまだ暖かいが、すっかりクリスマスムード。今年もあと週末が○回くれば終わる、と感じはじめるとやり残したことがあれやこれやと浮かんでくる。来年に入ると結婚式の準備も佳境に入ってくるのでどんどん時間が進んでいきそうな気がする。

★★★

2年前くらいから自分のなかで第三次将棋ブームがずっと続いていて、いまやいくつかある趣味の最右翼となっている。まだまだ初級者の域を出ないものの、量は質を作るみたいで、以前よりも少しは上手くなっているように思う。将棋ができます、という人に会うとなんだかわくわくする。

Web上でもいろいろな人と対戦してみたりするが、実力差が少ない人と対戦する場合はいつも同じような将棋になる。序盤から中盤にかけては、次の手があまり見えず、いつも自分に不利な局面を作ってしまい、自分の王将が危ういと感じてはじめて、集中力が高まってくる。そこからは粘りの手、相手の攻めを殺すような我慢の手がよく見えて、うまく逆転に持ち込める時が多い(しかしながらそれと同じくらいに、そのまま相手の攻めを受けきれず負けてしまうこともある)。最初から自分の攻めが鮮やかに決まって一方的に勝てることはほとんどないし、そうやって勝とうとすると攻めが雑になってしまって、独りよがりな内容になり力尽きてしまう。

将棋では、自分の主張を通そうとしても、思い通りにいくことはなかなかない。自分が思い描いた通りに攻めたい、とこだわるほど、相手がその攻め筋に気付いている可能性にまで想像を働かせることができず、相手の思うつぼにはまって負ける。逆に、相手の攻めの意図をよく読み取って、その反動を利用して攻めようとすると、相手の想像が及ばなかったような攻めを繰り出すことができて、一気にペースを掴むことができる。

巧い手をひねり出す能力は、勉強をして身につけることができるが、勝敗を左右する局面でどうふるまうべきかまでは、一々誰かに教わることはできない。心を整えて、こう攻めたい、という自分の考えに固執しすぎず、相手がどのように考えているかを読み取り、自分の手を重ねていかなければ、ひとつの勝ちにたどりつくことはできない。

指し手に自分の姿がはっきりと映っているから、のめりこんでいくのをやめられない。