つがる①。

もう早くも数日前の話になってしまうのであるが、北東北に行っていたのである。仙台を越えて岩手県に入るととたんに空が一段と広くなり、平野が広がる。人の密度が少ないがゆえに人が自然に押し込まれがちになるのである。青森もひとかどの都市ではあるのだが、厳しい自然に肩をすくめて人が歩くように、大人しく街がまとまっている。そして日本海側気候特有のどんよりとした雲が低く立ち込める。こちらはもう既に秋も終わりを告げようとしている。

人は相変わらず温かくて、世話好きで、本当に好感の持てる人ばかりである。気候がそうさせるのだろうか、忍耐強く、自分の持ち場をやりきろうとする。ビジネスのやり方も仕事への構えも、東名阪とはまた違う感じである。この地だからこそ成り立つ手法もあるのだと深く学びを得る。

こんな場所にも外国人観光客は押し寄せはじめていて、市内をそぞろ歩く姿をよく見かけた。心なしかじわじわと物価も上がってきている。変わらざるを得ない部分もあるのだろう。それでも、この東北人の気質こそが、海産物や農産物よりも、なによりのこの土地の資源なのだと思い、この部分は変わってほしくないと思う。(明日に続く)