ストレッチ。

旧来の友人と会う。なにかと世話を焼いてくれる人で、前の転職も、その前の転職も大いにお世話になった。基本的に人と人をくっつけてアレンジすることが得意な人物で、それだけに多くの人から可愛がられて、世の中を泳いできている。

 

彼自身も2年と少し前のタイミングで転職をして、そしてまた新天地に移ろうとしている。それ自体はクビになったわけでもなく、目をかけてもらっている先輩に誘われてのものであって、素晴らしいことだと思うのだが、現職も次の職場もなかなか評価がシビアな環境で、大変だろうな、と思ってしまう。

 

自分なぞは、よっぽど自分の実力のことをよく分かっていて、分不相応なところで風呂敷を広げたり、一発かましたりしても上手くいかないであろうことはよくわかっている。だからこそ、自分の器に合った場所を見つけて、そこで自分のペースを守って働いていこうとするのだが、周りにはそれでは満足せず、より厳しい環境で、自分をストレッチさせながら、もがこうという人もいるのである。

 

残念なことにそういう環境に飛び込んだ人の成功率は高くはない。ひとつには、自分の能力を見誤っていることもあるかもしれないし、あとは時の運や心の持ちように左右されてしまってのものであるのだろう。そうしたチャレンジに伴う失敗を嘲笑うほど、自分は大成もしていないし、もし大成したところで、失敗した人を笑うのはナンセンスだろう。むしろ、挑戦すらしていない人のことを笑うくらいでちょうど良いのかもしれない。