活路。

藤浪晋太郎選手がオリオールズにトレード。彼もまた数奇な運命をたどっている。タイガースでキャリアをスタートしながらも、20代半ばに差し掛かる頃からは苦闘の連続であった。タイガースに鳴り物入りで入団した選手は、途中で壁にぶつかろうとも、なかなか国内リーグの他球団で再スタートを切るのは難しいものがある。そういう意味でも、メジャーリーグに活路を見出したのは、これしかない、という選択だったのだろうし、無謀に見えながらも、彼なりの勝算もあったのだろう。スタートではつまづきながらも、見事に立て直し、アスレチックスという負けが込んだという特殊なチーム事情も味方をして、今回首位争いをするチームに引き抜かれた。この人材の流動性、チャレンジのしやすい環境こそが米国のダイナミズムだなぁと感じる。これまでに比べてタフな場面での起用が続くのだろうが、失うものはない立場だ、のびのびとプレーをして、同年代の偉大なスターである大谷に負けない輝きを放ってほしいなと願う。