旅の寝床③。

なぜこんなことになってしまったのか、と嘆いてもしょうがない。世界が変われば変わったで、生き抜いていくやり方はいろいろとあるものだ。そして、常に目的に向かって、生産性を意識しながら前進する、ということだけが単一の解ではないんだ、という価値観の萌芽がもう一度出てこようとしている。既存の価値観が全て御破算になるかどうかはわからないが、どうなっても、人の営みは続いていくものだ。

 

人から、「もう一度旅に出てみたいか?」と聞かれるとYesと答えると思う。ただ、いまの人生もまた旅のようなものだと思う。世間一般の人と比べればフラフラと、いろんなことにつまみ食いのように顔を出しているし、物理的にもいろんな場所に行っている。ありがたいことに、自分自身と向き合うような時間も持てている。仕事でも、いろんなプロジェクトにいっちょかみのように顔を出しており、それはアサインされたものというよりは、自分から掘り起こしたものが多い。

 

旅が好きだから、自分の人生そのものを旅のような仕立てにした、というのが正しいのかもしれない。本当は旅をしたくてしたくてたまらない、一ヶ所にとどまっていられない人間なのだ。旅は自分のなかに息づいている、と改めて感じる。