壊れる。

昔からお付き合いをしていた人のなかに、「この人、最近大丈夫かな?」という人が何人かいる。少し前まではこちらが頼ることもあったし、よるべのない思いを聞いてもらうこともあったので、もちろん無下にはできないのだけれども、本音としてはもう距離を置きたいなあ、と思ってしまうような言動が増えてきた。

 

本人自身の加齢とそれに伴う心境の変化もある。もしかすると、Covid-19の影響もあるのかもしれない。陰謀論に没入してしまうのもひとつの形なのだろう。

 

昔のような感覚で何か頼みごとをすることはもう難しい。むしろ相手に切迫感があり、なにがしかの果実を手っ取り早く得たいという欲求も強くなっているので、一緒に歩調を合わせてなにかを成し遂げる、ということも難しいように思う。

 

「心が壊れた」という表現が近いのかもしれない。ままならないことが増えたときに、じっと自分のなかで堪えるか、それとも外に自分の葛藤をぶちまけてしまうか、その人の矜持が試されている。なにが良くてなにがダメということではなくて、その人が精いっぱい生きている経過、結果だからどうこう言うこともないが、穏やかな着地になってくれることをただ祈る。