泥水を吸う。

同じ仕事をしている仲間には、人生の途中で家庭が崩壊してしまった人、精神的にしんどくなってしまった人も少なくない。それは、仕事自体がなかなかにハードで、時には家庭を顧みずに仕事に突っ込まざるを得なかった(これは、そうしないと生きる糧が得られないから、というよりは、行きがかり上引くに引けなくなった、という表現が正しいかもしれない)ということももちろんあるのだが、それに加えて、向き合っているクライアントの瘴気にあてられてしまった(これは、語弊、失礼を承知での発言になってしまうが)ということもあるのではないかと思っている。

具体的には言わないが似たような仕事が世の中にいくつもある。自分自身が規律を守って相手に対処すればそれでいいのか、というわけでもなくて、ある種の玉虫色というか、相手の毒を積極的に喰らっていくくらいの覚悟と鷹揚さがないと、やっていられないというか、途中でメンタルがやられてしまうこともある。

だからこそ、こんな業界に首を突っ込んで悪戦苦闘するなんてホントにモノ好きだなあと思うし、立場は違えど、根底にある価値観では通じるものがあるのだなあと感じている。