中学受験。

最近中学受験関連の小説を立て続けに読んだ。自分もまた中学受験経験者ではあるが、もう30年近くも前のことで、あの頃といまとでは受験を取り巻く環境もずいぶん違うし、子どもを受験させる目的も変わってきている。中学受験ブームもついに来るところまで来た、という感じで、わが子はあえて中学受験なぞしなくとも良いのではないだろうか、ということも正直なところここ数年は感じている。

地元の公立中学校に進まずに、子どもの個性に合った学校を選び、そこを目指す、ということが手放しで是とされる風潮には違和感がある。学校によって校風もあるだろうし、私立中学校などでは明確な意図のあるカリキュラムや文化が組まれていて、同質な家庭環境の同級生に囲まれて、それが良い作用を及ぼすこともあるだろう。ただ、それは結局のところどこまでいっても出たとこ勝負であり、親がコントロールできるものでもない。そういった賭けにどこまで突っ込むべきなのか、それは金銭面ではなく子どもの貴重な時間や体力気力を考えると、どこで勝負をさせるのがその子にとって本当に良いことなのか、熟慮してから、中学受験に臨むか否かを考えていくべきなのだと考えている。