玉手箱のような。

4か月ぶりの東北出張。気づけば、想像以上に東北でもいろんな仕事が走るようになった。また4か月経てば、いろいろと状況も変わっていくのだろう。そんなことを考えながら北に向かう新幹線に揺られる。いつしか車窓の風景にはふかふかの雪が見えるようになり、いささか寝不足の頭にも新しい刺激が入る。新年からいろいろとあり早くもやや疲れ気味ではあるのだけど、また前向きになってやっていこうという気持ちになっている。

車内販売で聞こえてくるやりとりも、朴訥な東北なまりのそれである。こういうイントネーションにふと接するときに、ああこの地方のことが自分は好きなんだな、という気持ちが心の底から湧き上がってくる。本質的な人の良さ、そして奥底にある粘り強さがにじみ出てくる言葉に、励まされたり、癒されたりする。

いくつかのポイントで仕事を終わらせて、最後にひっそりとした山奥にたどりつく。今まで全く聞いたこともなかった地名の場所である。誰も知らない玉手箱を見つけて開いたような、そんなワクワクする気持ちで通りを歩き、人と出会い、新しい話を紡いでいく。そんなことがたまらなく面白い。