脚本の妙。

「鎌倉殿の13人」最終回。脚本の妙にうなるしかない。

もともと中世よりも前の時代の大河ドラマは、現在とは感覚がかけ離れておりなかなかとっつきづらいところがあったのだが、今回のドラマはその欠点を逆手にとって、また「吾妻鏡」という若干創作交じりの原作を生かし、史実として明かされていない部分についてはふんだんにオリジナルな展開、ストーリーを盛り込み、まさにドラマとして楽しめるものを作り上げた点で本当に秀逸だったと思う。

13人、というところにもダブルミーニングを持たせ、何重にも張り巡らされた伏線、そしてその回収。また近親者に最後はことごとく裏切られながらも本人がそれを半ば受け入れていくという展開。まさにミステリー小説にエッセンスを得ただけのことはある脚本であった。

もちろん、脚本だけが素晴らしいのだけでなく、それを呑み込んで演じきった役者もすごいし、その世界観を具現化したスタッフもすごい。すごいものを見せてもらったという他ないし、自分もこれに負けないいい仕事をしたいと強く思わされた。