さようなら。

シンエヴァを再度見る。じっくりと鑑賞すると、また違った味わいを感じる。ああ、本当にいろんなことが終わったんだな、卒業をしていくんだな、という思いだ。


前回のQから8年以上が経ったこともあり、エヴァの世界が拠って立つ前提も変わってきている。たいていの人にとっても、自分の人生にとって大きな変化があった時間だろう。


長い時間のなかでは、いいことばかり続くわけでもない。挫折して、自分の殻に閉じこもる時間もある。そんななかでも、少しずつ前進する、というのがエヴァ全体を通してのメッセージのような気もする。


ラストシーン、監督自身の人生を投影したものでもあり、内輪ネタといえばそうなのかもしれない。でも、1人の人生にスポットを当てる、というのはなんとも日本らしくて良いと思う。世界が救われるには、まず自分が救われなければならないし、自分だけが犠牲になり、世界が救われるなんていう話も存在しないのだ。


もうここからは、新しいエヴァの話は生まれることはないだろう。なによりも、風呂敷を畳んでピリオドを打ったことに、拍手を送りたい。