大阪のなかでも、普段あまり行くことのない方面へ。小学生だか中学生の頃の記憶の街は綺麗さっぱりなくなっていて、スッキリとしたロータリーと、真新しい建造物が建ち並んでいた。むかしは本当に狭い長屋ばかりだった記憶がある。
それでも裏通りに入ると、バラックのような木造建物がひしめきあっていて、そのうちのひとつの飲食店にはいった。水キムチがでてくる。その次に鳥刺しをいただく。
大阪には在日の人たちが多い。成功している人も多い。野球場の広告など、在日の人が興した会社のほうが多いかもしれないくらいだ。既得権益にあぐらをかくことなく、みんなたくましく商売をしている。そして在日でない大阪の人もみな、在日の人たちには寛容だと思う。
街のカタチは変わっていけども、そこに暮らす人のスピリットは変わらない。人種がどうだとか、国籍がどうだとか、あまりそんなことにこだわらず、フィーリングが合う人とずっと仲良くやっていけばいいと思う。時にはボタンの掛け違えで関係が崩れてしまうことがあっても、それはそれでひとつの帰結だったのだろう。
卵かけごはんを食べて、すっかりと暗くなった初夏の夜道をとぼとぼ歩く。