生と死。

自分自身に降りかかったことではないのだが、世の中で悲しい事件があった。当時者のことを思うと胸がぎゅっとなる。世界にはいろんな悲しみがあるけれども、この悲しみはほかのそれとは比較できないような次元のものだと思う。僕自身、それがどれほどの悲しみなのか、想像もつかない。


本当に悲しいことは、時間をかけていくことでしか乗り越えられないのだと思う。そして悲しいことに接したことは、巡りめぐってその人の人生に色をつけるものであるとどこまでも信じたい。


もうひとつ、知人ではないのだが、若くしてがん闘病をしていた人の訃報を知る。最後に配信された動画、支えられながら数メートルをやっとのことで歩く姿、顔色はどす黒くなっていながらも、眼が本当に鋭く光っていたシーンが瞼から離れない。どれだけ生き続けたいと願っていたことだろう。いまの自分はそこまで真剣に生きているだろうかと考えこんでしまった。死と向き合うこと、限られた生を精いっぱい生きること。


淡々と、でも気持ちを込めてまた1日を過ごしたい。