昭和おじさん。

森喜朗氏が非難を一身に浴びている。これに関しては、もう彼はとっくに引退すべき健康状態であるにもかかわらず担ぎ続けている周りが悪いよな、と思うし、こういう汚れ役を引き受ける人がいないと運営がまわらないような、利権の温床となる商業オリンピックの形自体が限界にきているのは明白である。


彼のような昭和おじさん、昭和じいさんとこれまでごまんと付き合ってきた身からすると、まあなんとも言えない部分もある。確かに言動は粗野で、時には偏った思考(嫌韓反中)を持つこともあるのだが、馬車馬のように働き、家族親族の面倒見がよく、自分のような外部の人間をもよく可愛がってくれた。そんな人はもうほとんどいなくなった。サラリーマンならば定年を迎え嘱託契約も終了し、経営者は、幸運なケースでは事業を子どもに継がせられたが、そうでないケースでは時代を読み違えて退場していき、いまなお退場しようとしているケースもある。そういう人たちも地方ではまだ少しは残っているが、あと10年以内には確実にいなくなるだろう。


いまの経営者やサラリーマンは、スマートにはなったが、仲間への情けを持つ人は少なくなったし、ドライな人が増えた。どちらな良い悪いでもない。ただ、可愛がってもらったことは懐かしい、と思う。