ムーンライト。

ムーンライトながら、廃止。まさにひとつの時代が終わった。何度乗ったかしら。大学時代を中心に少なくとも5回は乗っていると思う。


165系、113系のほぼ直角のシートはなかなか辛いものがあった。しかも夜中も車内灯は煌々とついているのである。なかなか眠れない移動であった。きまって翌日は昼間から爆睡してしまった。これは夜行バスを使ったときもそんなに変わらない。373系の運用になってからは乗り心地もよくなったが、その頃には社会人になっていたのでさすがに乗ることもなくなっていった。


一度だけ、新聞紙をひいてデッキの床で一晩を過ごしたこともある。当時は携帯電話もなく、ポケット時刻表と、古本屋で100円で買った文庫本を抱えていただろうか。あてもなく文庫本のページをめくり、それも読んでしまうとただひたすらボーっとしていた。絶えずスマホに目を落とすことができる今では考えられない時間の過ごし方である。


廃止理由として、「生活様式が変わって使命が薄れた」というど直球のことが書かれていた。まさに時代の変わり目なのだと思う。思い出は思い出のままに、僕らは先に進みたい。