邂逅。

父親と久しぶりにいろいろと話したのだけど、さすがにそろそろ親子関係も変わっていくのかなあ、と思わされる邂逅であった。

父親はポスト団塊世代というべき年代で、職業柄も比較的草食系と言えるものだったのだが、それでも現役中はそれなりに威厳のある存在だった。もっとも、モーレツな仕事人間とはほど遠いもので、特に定年前の数年間はほとんど定時退社していたように思う。いいタイミングで時代を過ごしたのかもしれない。バブルの波に翻弄されることもほとんどなかったように感じる。

あっさりと定年退職し、再雇用に応じることもなく悠々自適の生活を送っている。とはいえ暇には耐えられない性分なので、趣味に忙しくスケジュールは現役時代とさほど変わらない。家で所在なげにしているよりはよっぽど良いが。

忙しくはしているのだが、現役から遠ざかっているだけあって、やっぱり精神的には少しずつ緩んできているのだと思う。父親へ抱く感情が変わりはじめるこのタイミングは、本当の意味で僕自身が大人になっていく過程なのかもしれない、と思っている。