分断される社会。

社会の分断が加速している。ひとつのグループは、大企業正社員や公務員である。こちらは収入もほぼ変わりはなく(ボーナスが減ったり資産価格が変動することはあるが)、テレワークなどを駆使してむしろ生活の自由度は高まっている。次のグループは、中小企業正社員、非正規雇用、自営業者などで、今回のコロナ禍の影響をもろに被っており、一刻も速いサポートを必要としている。適切なサポートがなされなければ社会不安を招きかねないだろう。そして最後のグループは、年金生活者である。基本的には彼らの生活はなんら変わっていない。せいぜい診療所などに集う回数が減ったくらいだろうか。


もちろんミクロに見ればそれぞれのグループのなかでも(経済的要因のみならず)苦境にあえぐ人もいるし、時流を捉えて伸びていく人もまたいるのだが、大勢としてはこんな感じなのだろう。そうして、別のグループにいる人たちの境遇に思いを馳せることもなかなかないものである。


どの立ち位置にいることが幸せだとか決めつけるつもりはない。ただひとつ言えるならば、現時点と将来でまた、グループごとに立ち位置は変わり、いきなり奈落の底に突き落とされる人も少なからず出るだろう。そんなこともあるからこそ、少しでもいろんな人の立場からモノを見てみることを怠ってはならないと思う。