話す。

少しずつ、自分の身に起こったことを周りの人に話している。話すと楽になる、という部分は確かにある。そして、相手の身にこれまでに起こったショッキングなことを話してもらうこともある。


みんな、平坦に見えるような人生にもいろいろあるものである。誰ひとりつまらない人生などない。よしんば平坦ななかにも他の人からは見えない起伏がある。そして、窮地に陥っても人間なんとか生きていけるものだなとも思う。


こういう先が見えない時などはなおさらだ。頼れるのは身ひとつ、自分自身がいかに健康な心身を維持して活動し続けられるかにかかっている。たとえ全てを失ったとしても、心身が健全ならいくらでもやり直せるものだ。


負った傷も、少しずつ癒されていく。人はやはり人とのつながりのなかで生きていくものである。無理に元に戻ろうとしなくともよい。焦らずじっくり、流れを見極めて動けばよい。なにゆえこのタイミングで神さまはこの試練を与えたのか、じっくり噛みしめている。