かに玉。

夜お腹が空いたので、スーパーに走って卵とかに玉の素を買ってきた。一人暮らしをしていた頃から、お腹が空くとたいてい即席中華材料を作ってお腹を落ち着かせることが多い。


かに玉を作るなんて久しぶりだ。深めのフライパンにサラダ油をたっぷり垂らして、卵を規定の分量よりも多めに割ってぶちこむと、卵液が油の膜に包まれるようにおさまり、大昔にバンコクでよく食べていた10バーツの卵焼きごはんを思い出した。


ああ、バンコクももう10年以上行っていない。もう東京とあまり変わらない感じにまで発展してきているのだろう。昔の懐かしい風景はもう残っていないのかもしれない。そう思うと、急にかの国に飛んでいってみたくなってきた。


即席中華の材料だけでは具に乏しいので、残っていたぶた肉やら野菜を入れて作る。大皿にできあがったものを乗せてあんかけをかけると、今度は学生の頃や社会人初期に1人分のごはんを作っていた時のことを思い出してきた。記憶とともにごはんを胃の中に流し込んで、ようやく眠気もやってきたので、子どもが寝息を立てている隣にもぐりこむ。