栄枯盛衰。

今年の大河「麒麟がくる」について。いろいろと放送開始前にトラブルがあったものの、さすがは大河ということで始まってしまえばまとまったつくりになっている。去年の「いだてん」と比べればオーソドックスに徹した感はあるものの、光や色彩の使い方には真新しさを感じるし、戦国時代だけあって、後の歴史を想像しながら主要人物のやりとりを見守るのも楽しみがある。今週は織田信長が実質初登場したし、後に各々数奇な運命に翻弄されてゆく稲葉一鉄土岐頼芸、斉藤義龍などのやり取りを見ることができた。


特に今回の場合は守護大名が没落したり、戦国大名へと姿を変え、力の源泉が移っていった時期で、さまざまな立場の者の栄枯盛衰の話が溢れている。ただ、衰えていくものが時代の流れに乗れず、栄えていくものが時流に乗った、という単純な話だけではなくて、守護大名のなかにも策士はいたし、戦国大名に生まれ変わったなかにも、代替わりを経ると途端に能力が低下したりなどと、杓子定規ではない描かれ方がなされていて、そのあたりはちゃんと工夫しているなあと思いながら視聴している。