スポーツと政治。

6月ごろに激賞した「いだてん」だが、引き続き面白い。8月が終わった時点で1930年代中盤なのでややペースが遅いように思うが、ことさら東京オリンピックに焦点を当てるでもなく、まんべんなく近現代史をなぞっていくのだろう。


そういう意味では1932年のロス五輪がしっかりと描かれていた。水泳を中心に大きな成果をあげたのがこの回である。明治維新から急激な成長を遂げた日本が、スポーツの面でもついに世界のトップに肩を並べるようになったことがよくわかるし、選手団の若さに満ち溢れた空気には国家としての勢いを感じた。戦前のスポーツシーンのひとつの集大成でもあるのだろう。


さてここからは史実では少し暗い時間が続く。真珠湾開戦から一気に奈落の底に転げ落ち、そこからまた瞬く間に復活するのだ。この出入りの激しい流れも、一瞬たりとも見逃せない。


それにしても、まーちゃんこと田畑政治を後半の主役に据えて、そこに阿部サダヲをキャスティングしたのは今考えるとすごいね!民放の主演俳優女優ありきのドラマとはやっぱり違う。