稀代の勝負師。

昨今の香港のことを見ていて思うのは、いま孫正義はなにを考えているのだろうか、ということである。


ソフトバンクグループは、単なる通信事業者を超え、いまや投資が本業のようなものである。そしてそのビジョンファンドでは、人権問題を抱えるサウジアラビアからの出資を受け入れ、大きな含み益を保有するに至ったアリババから、ジャックマーを取締役として招聘している。さらにはファーウェイ製品を基地局に設置している。米国から目をつけられ、叩かれても仕方のない最右翼にいるのは間違いない。


孫正義はここでハシゴを外されて、ソフトバンクグループを猛烈な逆風にさらすことになるだろうか、それとも、この時流を読みきって次の手を打てるだろうか。僕は後者であると信じたい。彼は単なる政商でなく、自由を重んじる社会を創り出すことにコミットする起業家であるはずだからである。ファーウェイの二の舞のようなことは無いと信じたい。