仲間。

地元出身の友人と軽く飲む。生まれて初めての友達で、もう32年くらいの付き合いだ。それぞれに紆余曲折ありながらも、ここにきて一緒に首都圏で暮らしているということには巡り合わせを感じる。


どこに行っても、彼と再会すると変わらない空気感に包まれる。たぶんどれだけ歳を取っても変わらないのだろう。それはある意味では素の自分に戻るということである。


人間、人格の大部分は既に3歳や4歳の頃に完成しているのではないかと思っている。僕自身も、歳を取るにつれていろんなことを経験していったとしても、根っこのところはほとんど変わっていない。衝撃的な体験によって人格が変わることはあるのかもしれないが、大多数の人間はそのようなことには出くわさずに人生を積み重ねていくのだろう。


東京の飲み屋街はどこまでも奥深く、まるで迷路に潜り込んだような気分になる。それでも、気持ちが確かなのは、自分のなかに揺るがないものがあり、それを共有できる仲間がいるからなのだろう。