恩送り。

不意に、自分がどんな仕事をしてきて、その時々でどんな感情を持って、その感情に突き動かされてどんなふうに人生の選択をしてきたのか、ということを思い起こす機会に直面した。それはまるで図ったかのように突然に自分の目の前に現れてきた。

 

いま自分が取り組んでいることはもちろん容易ではないけれども、自分がやっていることは誰に対しても、自分の息子に対しても胸を張って言える仕事だと思う。カッコ良いわけでもなく、泥に塗れるようなことも多いけれども、確かに自分で選んだ、紆余曲折を経てやっとたどり着いた仕事だ。

 

きれいごとだけでは解決できないこともある。もちろん食っていくためにやらなければならないこともある。それでも自分の信念に正直に生きていきたいし、同じような信念を持ってくれる人のことを大切にして、そういう人たちを自分が引き上げていけるようにならないといけない。

 

そろそろ、自分が受けた恩を人に返していかねばならない時期にさしかかっているのだと思う。