老化。

60歳定年が、65歳に延び、果ては75歳まで延長されるのではないか、という風潮になっている。確かに、いまの60代は見た目もすこぶる若いし、完全に引退してしまうにはもったいなさすぎる。社会保障費の観点からも、働くことは奨励されるし、当人の意欲が続くのであれば、いいことばかりに思える。


一方で、相応に歳を取ってからも働き続けるということのデメリットも、個人的には感じる。個人差の大きい話であるが、歳を取ると仕事の手法をアップデートすることが大変に難しくなってくる。時代は変わっているのに、昔ながらの手法が通じると思い込み、かえってものごとを悪い方向に導くこともある。


あとは、精神的な老化による影響もある。認知症とはいかないまでも、認知能力の低下によって、相手方や内輪でトラブルを起こすこともよく見る。誰が悪いということでもなく、加齢によるものだからしょうがないのだ。


もちろん、これらの要因を自身で克服する人もいるし、自覚があるがゆえに早めに自らの身を引く人もいる。マネジメントの手腕によって、こういうデメリットを極小化して乗り切っている組織もある。そして、個人差が大きいがゆえに、年齢に関係なくこのようなデメリットが顕在化することもある。