ひとりじめ。

休みの日、たまに訪れるショッピングセンターで、トミカのコーナーがある。そこには先月くらいから、ファイヤーステーションという消防署を模した大掛かりなトミカの商品が遊べるように置かれていて、トミカ好きなうちの息子ももちろん遊ぶ。緊急出動ボタンを押すと並んでいたトミカが雪崩のように走り出していくのは壮観だ。

注目の商品であるわけで、子どもたちが変わるがわるにやってくる。うちの息子はそういうときに、なんの抵抗もなくすっと順番を代わってあげる。この時期の子どもによくある、なにがなんでも渡さない、独り占めしたいという姿を全く見せない。しかしながらあっさり譲ってあげたあとは下唇を噛んで目に涙を浮かべている。やっぱり本心はずっと遊んでいたいのだ。誰かが後ろにきたら、順番を譲ってあげなさいよ、などと教えた記憶もあまりないのだが、これはどういう行動回路なのだろうか。父母どちらに似たのだろうか。興味深くて、ショッピングセンターにくると、遊んできな、と言っていつもその姿を遠目に見守ってしまう。