初夏。

大阪出張、思いのほか早くにアポイントが終わり、時間ができたのでぶらぶらする。普段は梅田から難波のエリアだけをうろうろしているので、それ以外の場所に足を向ける。

知人の娘さんが店を出している北堀江へ。おしゃれなエリアで大阪にいた頃から踏み入れたことがない。平日の夕方で賑わっているというほどでもないのだが、センスのいい店が多い。なんだか、こういう店とは無縁のままおじさんになってしまったなあ、という気持ちになってしまう。甘いチョコレートドリンクを飲む。

難波より南へ。大阪に住んでいた僕でもどうもとっつきにくいエリアだ。どうしても少し気が張ってしまう。それでもかなり再開発が進んでエグ味は消えてきている。安宿も増えている。恵美須町チンチン電車を眺め、新世界から飛田まで歩いて、安売りの自販機でジュースを飲む。

夏の入り口にきて、どことなく気だるい空気が街に漂う。ここに暮らしている頃には気づかなかったことにいくつか気づいて、この街の複雑さを思う。