蕎麦。

長年行きたいと思っていたお店があった。表参道の「みよた」である。目の前を通るたびに、ランチタイムでもないのに行列ができている。たぶん美味しいんだろうな、と妄想を膨らませていた。

ついに食事の機会が訪れたのが先週。ふいに時間が空いて、ランチタイムもとうに過ぎていたので、少しの待ち時間で入店できた。機会にたがわぬ味、ここは某立ち食いそばチェーンのスピンアウトとでもいうべきお店なのだが、一流の和食屋よりも美味い。それなのに、立ち食いそばに少し毛の生えたような、表参道で普通にランチを食べるよりもリーズナブルなお値段で済んでしまうのだ。久しぶりに、一気に虜になってしまい、先週のうちに再訪してしまった。蕎麦自体の美味さも再発見できたので、もともとのチェーンの方にも久方ぶりに足を踏み入れた。都心でのランチのチョイスパターンに大きな地殻変動を起こしかねない体験であった。

普段はあまり気にも留めないけれども、やっぱり日本は美味しいものが安く食べられる国だと思う。そして幸か不幸か世界の中でその価値は年々高まっているのだろう。