美々卯の思い出。

美々卯」が関東から撤退するという。寂しい想いが残る。


2016年から2018年の間に何度か京橋の店に行った。ひりつくようなディールをしていた時だ。昂ぶる心を落ち着かせるように二階の座敷で人目につかないように食事をしたことも、一階のテーブル席で何度となくおろしそばのランチを食べたことも、打ち上げでうどんすきを食べたことも思い出す。思い出が詰まっている。


ふと、今年の年明けだったか、久しぶりに京橋近辺で時間ができたので、店の前を通ってみた。懐かしい雰囲気は変わっていなかった。あのあたりに行く用ももうなくなってしまったので、もう店に入ることもないだろうなと思って、銀座線に乗り込んだ。


全部、なにもかもは思い出になっていく。そうして自分のなかから吐き出して、また次のストーリーを織り上げるべく新しいことに向かい、新しい人と付き合っていくのだ。


でも、ちょっぴり過去に浸りたいときにはまた関西に残った美々卯に立ち寄ることにしよう。意識は過去と現在、過去と未来を行き来しながら、肉体はもう二度と戻ることのない時間を歩んでいく。