場の効果。

ここ数年で、お客さんと外で会う場所は「ルノアール」一択になってしまった。都心であればたいていの街にはあるし、満席であることも稀である。ざわついた感じもないので、仕事の話をするにはちょうどいい(静かすぎる時などは小声になってしまうが)。

なぜルノアール一択になってしまったのだろうと考えると、フォーマットが統一されている、ということが大きいのだと思う。古い店も新しい店も、室内のインテリアや家具調度品はほぼ同じものを使っているし、雰囲気も立地による差は多少あれども似通っている。客層もよくも悪くも固定されている。だからこそ、ルノアールの席に座るといつも一定の心理状態になって、ある種の興奮と抑制との均衡を保つことができるのだと思う。少なくとも、スタバやドトールでは同じような心理状態は作り出せない。

逆に、古くからの友人とルノアールに足を踏み入れるというのは抵抗がある。やはりそこはスタバやドトールなのだろう。「場」の違いというのは思っているよりも大きい。