スナックについての話の続きを。
スナックはおっさんたちのサードプレイスではないか、ということを思いついた。スナックはまさに、家庭でも仕事場でもない第三の場所である。
日本では働く男たちのサードプレイスがない、と言われ続けていたはずだが、どっこいそれは夜の街にあったのだ。ただし、会社の連中でつれだって繰り出せば悲しいかなそれはサードプレイスとはなり得ないが。高くもない酒をちびちびと飲みながら、唄を歌い、時にちょっと卑猥な話もする。おっさんにとってはそれがあれば充分なのである。
スナックの実力とは、サードプレイスとなり得る力そのものなのだろう。食事や酒などは、チェーン店に行けばそれなりのものが食べられるし、そもそもお取り寄せなどで家でなんでも食べられる。その「場」で時間を過ごすことにこそ価値の源泉があるスナックは、飲食店が本来目指すべき姿を先取りしているようにも思う。
まあなんにせよ、行きつけのスナックがあるおっさんは、幸せなおっさんである。