愛され系。

仕事柄外資系プレーヤーとの付き合いもあるのだが、得てして彼らは明るくて快活な人が多い。いわゆるステレオタイプな「外資系」のイメージにあてはまる人にはほとんど会ったことがない。わが業界の外資系プレーヤーは日本で根を張ってビジネスを継続するタイプの企業は少なく、進出や撤退の声も頻繁に聞く、外資系のイメージにありがちな契約終了やチームの解体という話も耳にするのだが、それでも彼らは楽しく生きているように見える。

終身雇用からも遠く離れた彼らがそのようにふるまっているのは、「いまを生きる」という考えや、そもそもの本国企業の雰囲気によるところもあるのだろうが、最も大きな要因は、「愛される」人になることが生き延びるための最大の武器になると心得ているところなのではないだろうか。比較的不安定な立場に置かれているからこそ、人間的魅力が最後の砦になることをよく分かっており、自然と周りから「愛される」人こそが外資系企業で生き残っていくのだと思う。

終身雇用が完全に崩壊してしまえば、案外良いことの方が多いと思う。いや、実質的にはもう崩壊しかかっていて、その波に抗ってしがみついている人たちが不協和音を奏でている、というのがいまの実態なのかもしれない。