1982年。

中高年に嫌韓の意をあらわにする人が多いとは前から感じていたけれど、ここにきてその意はさらに強くなっているように思う。それもあってか、この年代の層をターゲットとするテレビ報道は、かの国を非難する姿勢にシフトしてきている。同世代から若者の世代については、比較的冷静に事態をみているようではある。


82年生まれ、キム・ジョン」という本を読んだ。淡々とつづられた小説だ。翻訳は、日本語としての自然さよりも、原文の空気感をなるたけ損なわないように、という訳者の気持ちが感じられる。僕には、当事者でないがゆえに、女性の苦悩が理解できるわけではないけれど、隣の国で同年代に生きる人間として、なんとも生きづらい社会であることはよく理解でき、それだけに感情移入してしまう。


日韓両国で、この本の内容に抵抗感を持つ人たちが少なからずいるということだが、それはどういうことだろうか。いまの国際情勢、特にいささか暴走気味の一部の人たちやメディアと、どこかで繋がっているのかな、とも思ってしまう。