心許。

口から出るセリフにしても、メールやSNSでのコメントにしても、心が浮ついている時に限って相手を傷付ける言葉や、見当違いの言葉が生まれてしまう。その言葉は発せられた瞬間の口あたりも悪いし、その後冷静になって振り返った時には、自分の浅はかさが恥ずかしく、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

心が浮ついている時とは、テンションが上がっている時のみならず、窮地に陥っている時や、怒りや悲しみで心ここにあらず、という時もそうだと言える。そのような時には、言葉を選ぶ力がひどく弱まっていて、適切でない言葉が発せられやすくなっている。そのような時にはなにも言葉にせずに、じっと自分のなかで気持ちを噛み締めて、心を落ち着かせるように心がけたいのだが、適切でない言葉が発せられてはじめて、自分で自分の心が浮ついていることに気づくことも少なくない。

心が浮ついてしまった時に出てしまう言葉の質を変えるには、心の根っこを変えるしかないが、それは果てしなく難しい。だからひとまずは、心が浮ついてしまわないように気をつけるしかないと思っている。窮地にあったり、怒りや悲しみに苛まれる時にも心が浮つかないことが、精神力を測る目安なのだと思う。