居酒屋の風景。

4月に入ってオフシーズンということもあり飲み会が多くなってきた。飲み会はなければないで恋しくなるものだが、週に3〜4回行われるようになってくると個人的にはきつく感じる。

★★★

飲み会ということで色んなお店に行くのだが、どこの店でもスタッフが減ってきているように思う。それに伴ってサービスのレベルも落ちてきているように感じる。やはり人材不足の波がやってきているのだろうか。

居酒屋チェーンに行くことはなくなったので様子はわからないが、和民は人手不足を原因に1割近くの店舗を閉めている。またすき家がパワーアップ改装と称して多くの店舗を一時閉店としている原因として、労働強化によるアルバイトや契約社員の大量離職が相次いでいることによるとされている。街を歩いていても、飲食店に貼られたアルバイト募集の貼り紙の時給は上がっている。深夜帯で1500円に届こうかという時給を提示している店もある。

1月8日のエントリで、今年の経済の行方を占ううえでキーポイントは人手不足になると挙げたが、想像を上回る状況になっている。ユニクロスターバックスでアルバイトや契約社員の正社員化が進められているのは、その状況に対処する動きのひとつである。閉店を余儀なくされた先の2社も、なんらかの対策を打ってくることだろう。規制が緩いことを逆手に取ってこの数十年で大きな成長を遂げてきた外食産業は、今回の試練を必ず乗り越えてくるものだと思っている。既に塚田農場のようにやりがいと裁量によって働き手自体がいきいきと働く職場づくりを目指したり、リンガーハットのように調理作業の機械化を目指したりと新しい動きが出ているところもあるが、他のチェーンはどのような答えを見出すだろうか。

そして人材不足は飲食業に限らない。公共事業に湧く土建業での人材不足、職人単価の高騰化は深刻化している。トラックドライバーなど、物流関係でも人不足となり、3月末は駆け込み需要もあって配送の遅れが目立った。

金融業にしてもその余波は出てきている。特に30歳〜35歳前後の求人は非常に増えている。マネジメント層と言うよりは、実際に手を動かすことができる人材を各社求めているということであろう。これまでは、ある程度の年齢になればマネジメントとしての動きを求められてくるものであったが、その考え方も変わってくるのではないかと考えられる。

人材不足になり、売り手市場になるということは、労働者側にとっては良いことであろう。企業にとって、人材不足という制約条件に対して先手を打ってどう対応していくか、がますます重要な命題になっている。