選挙のこと。

いちおうながら、参議院選挙が近付いているので選挙のことを書いておきたい。結果はほぼ見えているので開票日やその後に書くことも特にないので、先に書いておこうと思う。

残念がることなのか、喜ぶべきことなのかよくわからないが、選挙自体は盛り上がっていない。大勢は既に決しているし、蓋を開けてみたらびっくり、というような雰囲気も微塵もない。その時々で投票行動を変えて結果を動かしてきた人たちが、どうも投票にすら行かなくなってきた、というのが正確なところなのだろうか。加えて、今回の選挙では特に明確な争点もないことも盛り上がりを欠いている原因だと思う。強いて言えば原発再稼働反対、アベノミクス反対というのが野党側からちらほら聞こえてくるが、4年前の民主党よりもはるかに対案もなく、組織としても弱すぎるので、なにかを託したところで4年前に輪をかけて散々たる状況になるのは火を見るよりも明らかである。牽制機能としてのこれらの野党は必要なので、全否定するつもりはないが。

そして与党に対しては、今回の選挙を一区切りとして、3年間の政権を託すことになる。衆院選参院選も次回は2016年になるので、そこまでは自民党政権が続くことになる。民主党政権の3年間、どれだけ政治がガタガタになろうとも、政権交代する手立てもなかった3年間のいかに長かったことか。あの3年間と同じ時間を、恐らくは自民党政権に委ねることになる。今回の選挙はそんな意味合いを持っているはずなのだが、それにしては盛り上がりもなく淡々と進められていることには若干の嫌な予感を覚えたりもする。

きっと参院選が終われば、さらに踏み込んだ経済政策が行われ、原発再稼働が粛々と進められ、公共事業の大盤振る舞いが行われる。その方向性が正しいことなのかはわからないが、それに代わる対案が見えていない、信じるに値しないから、その道を信じて委ねてみるしかない。もしくは、委ねることなく自分ができることから確かなアクションを起こしていくしかないのだと思う。

はっきりしているのは、反対だけして対案を出さない、自分の判断が正しいと妄信して上から目線でモノを語る、科学や論理よりも感情をもとにして判断を行う、陰謀論を振りかざす、そういった行動を積み重ねてきた個人や集団は長期的に信頼を失っていく、ということだ。