白馬の外国人スキーヤー。

週末、7年ぶりに長野県は白馬でスキーを滑ってきた。大学生の頃はボランティアサークルの活動もあって毎シーズン10日以上は滑っていたのに、社会人になってぱたっと滑らなくなっていた。雪山で滑落した時のトラウマもあったし、加齢もあってどのくらい滑られるだろうかとドキドキしていたのだが、意外とそこそこ滑ることができた。斜度がきつくなると相当へっぴり腰にはなるのだが、それは昔からでしょうがない笑。案外滑ることができたのは雪質の良さとスキー板の進歩に助けられたからだと思う。子どもに教えていたからといって別にスキーが上手いわけではないのだ。実際のところは教えていたのでもなくて一緒に楽しく滑っていただけなのだから。

白馬で感じたのは外国人スキーヤースノーボーダーの多さ。ゲレンデによるだろうが、滑っている人の半数近くは外国人だと思われた。中国や韓国から訪れる人もある程度はいるが、なんといってもオーストラリア人が多い。僕が泊まったホテルにも一定の割合でオーストラリア人が止まっていたが、ゲレンデに向かうシャトルバスに乗っていると、彼らの大半は規模の小さな、築年数も相当経ったペンションで乗り降りしている。聞けば、もとは日本人が建てたものの後継者がいなくなったり経営難となったペンションを、白馬の雪質の良さに目を付けたオーストラリア人が買い取って経営しているところが多いらしい。海外からのスキーヤーが多くなだれこんでくるゲレンデと言えばニセコが有名だが、白馬もかなり活況だ。レストランにも英語のメニューがあったり、ゲレンデにも英語やハングルの案内文が併記されていたり、白馬の人たちも外国人に対してとてもフレンドリーだ。白馬が外国人スキーヤーで賑わっている理由は、単に雪質が良いからというだけではないのだと思う。

少子高齢化と人口減少傾向の続く日本では、白馬のように海外からの需要を取り込むことがますます重要になっていくことは間違いない。これは地方に限ったことではないが、特に地方では今後、「よそ者」に対する排他性の有無が、地域の豊かさに大きく影響を及ぼす姿が見られることになるだろう。もっと言えば、それは個人レベルでも起こり得ることなのかもしれない。

朝日に映える北アルプスの山々は神々しいほどに美しい。自然環境という意味では本当に日本は恵まれているし、日本人に生まれたこと自体も世界的に見ればまだまだアドバンテージがあるのだと思う。それをより生かしていくのか、宝の持ち腐れにするのか、選択によるシナリオの差が大きくなっていく時代なのだと思う。