ティッピングポイント。

9ヵ月ほど前に、孫正義のことを「稀代の勝負師」と僕は書いたけれども、ここにきてその前言を撤回したほうがよいのかな、ということが先週あった。PCR簡易検査キットを用意するとブチあげた時のことだ。 すぐに批判の声が集まって、数時間で計画を取りやめてマスクの寄付に舵をきった修正能力は流石ではあったけれども、確からしさの確率が低い検査だけをいたずらに増やすことがどれだけ混乱を招くか、自分自身で想像できなかったこと、また周りにもそれを諫める人がいなかったということを鑑みるに、彼がいま動かしている大きなポートフォリオのかじ取りは大丈夫だろうかと心配になった。いきなりステーキの社長とまでは言わないが、自分がやろうとしている行動が客観的に分析できていない状況に近づいているのかもしれない。 ずっと孫正義のやっていることは応援していて、それでキャリアもソフトバンクのままにし続けてきたけど、数多あるオーナー企業の末路と同じような最期をこの会社もたどるのだろうか。いまの日本経済のとこを考えれば、願わくばソフトランディングをしてもらいたいところだけれども。