花見酒。

半年ぶりに歯医者に行った。3月に予約を取り消して以来になる。医療機関に行くこと自体久しぶりなのだが、検温や消毒、飛沫を吸い込む機械など、対策がしっかりとなされていた。クリニックによっては、診療ごとにPCR検査を行うところもあるのだとか。安心はできるものの、設備投資が凄そうで、これを保険診療で回収しきれるものなのか、ということも老婆心ながら心配になる。歯科は廃業事例も相次いでおり、淘汰されることは間違いないのだろう。


ここ半年で国債残高がびっくりするほど増えていることにも驚く。プライマリーバランスの正常化などはもう夢のまた夢になったことであろう。もはや増税もインフレもなにが起こるかわからなくなってきた。わからないからこそ、ひとまず目の前の毎日を気分よく過ごすことこそが、いまは求められているのだと思う。いちいち先のことを心配してもしょうがない。歯医者さんもたぶん同じ気持ちだろう。


世の中はどんどん進歩していくけれども、それとともになにごとにもカネがかかるようになり、人々はカネを前借りしてその進歩を享受する。前借りのツケがいつかくるのだろうか。それとも返さなくともよいものになるのだろうか。案外後者なのかもしれない。