丁寧に。

強い寒気が下りてきて、街に雪がちらついている。飛行機を降りたら、ドキッとする着信履歴が残っていて、あわてて折り返しを入れる。ひとつひとつ、自分の人生なんだから、丁寧に扱っていきたい。雑にしてしまった時点で、運命はいとも簡単に自分の手を離れてしまうのだから。

ひとまずの対処をして、宿泊地にたどり着く。特段夜の予定があるわけではないのだが、こまごまとやるべきことがあって、ひとつずつこなしているうちに時間があっという間に過ぎていく。できるだけ、タスクに追いかけられるようなことは避けて(そうなると僕の場合確実に対処が雑になってしまうのでロクなことがない)、自分から追いかけるようにしたいところなのだが、今日ばかりは、タスクに並走されているような塩梅になっている。

あくる日の朝はまた、追いかけられるのではなく追いかける形でスタートできるように、身の回りを整えてから眠る。窓の外からしんと冷気がしみ込んできて、深い眠りを助けてくれる。